Columnコラム

ジン時計の修理と
オーバーホールガイド

Sinn(ジン)は、ドイツ発祥のプロフェッショナルのための高い精度を持つ時計ブランドとして世界中の時計愛好家から支持されています。しかし、精密な機械式時計であるSinn(ジン)には定期的なオーバーホールや修理サービスが欠かせません。Sinn(ジン)の時計が故障した際、どの店舗に修理依頼すれば良いか迷うことはありませんか?本コラムでは、Sinn(ジン)正規店での修理の流れや料金、また信頼できるオーバーホール(分解掃除)について詳しく解説しています。腕時計の修理は、信頼性の高いプロフェッショナルに任せることが重要です。Sinn(ジン)の修理に関する情報をしっかりと把握することで、時計を長期間愛用できる状態に保つための最適な選択肢が見つかります。

本コラムでは、Sinn(ジン)の時計の特性に合わせた修理・オーバーホール作業や価格、修理依頼の際の注意点について詳しく解説します。

オーバーホール

時計のオーバーホール・
メンテナンスサービス概要

ジンのオーバーホールサービスとは

オーバーホールサービスとは、専門の技術者により時計内部のムーブメントを分解し、各部品を洗浄・再び組立て・注油をして最良の状態に戻すサービスです。多くのショップやブログでも紹介されているように、Sinn(ジン)のような高い精度の腕時計は、3年から5年の定期的なオーバーホールを推奨しています。修理作業では時計をすべて分解し、洗浄することで古い潤滑油や汚れやさびを除去した後、各パーツを細かく点検し、必要に応じて部品交換を行います。組立ての際には適切な潤滑油を使用し、正確な動作を確保します。オーバーホールにかかる価格は時計の機能や作業内容によって異なります。ムーブメントを構成する部品数はモデルにより150個から250個にもなります。

オーバーホールによる洗浄前
オーバーホールによる洗浄後
オーバーホールによる洗浄前(写真)と洗浄後(写真)の時計ケース

Sinn(ジン)には、独自のテクノロジーを搭載したモデルがありますが、その有無で料金が変わることはありません。Arドライテクノロジー(※)搭載の腕時計に関しては、ドライカプセルの交換・プロテクトガスの再充填・EDRパッキンの交換はオーバーホールの基本料金に含まれますので、メンテナンス後は再びArドライテクノロジーの利点を楽しめます。定期的なオーバーホールを受けることで、大切なSinn(ジン)の時計を長く安心して使い続けることができます。Sinn(ジン)では、オーバーホール作業の完了日より2年間の修理保証が付きます。

ドライカプセル
Arドライテクノロジーの時計に搭載されるドライカプセル。写真左は水分を吸収し飽和状態のもので、オーバーホールでは写真右の新品に交換する。
プロテクトガスの再充填
オーバーホール完了後、Arドライテクノロジー搭載モデルは、プロテクトガスの再充填を行う。

(※)Arドライテクノロジー:時計を限りなく無水の状態に保ち精度を安定させ、風防の曇りを防止する除湿機構

ジンのメンテナンスサービスとは

Sinn(ジン)では時計のオーバーホールの間隔は3年から5年に一度行うことを推奨していますが、これに該当しない修理点検やカレンダー修正などの部分的な修理を行うメンテナンスサービスがあります。メンテナンスサービスではオーバーホールの際に行うムーブメントの分解や洗浄は行わず、タイミング調整やケースおよびブレスレットで必要と判断されたリューズやクラスプ等の外装部品の修理・交換を実施し、機能および外観の最終点検を行います。メンテナンスサービスには修理完了日より1年間、修理箇所に対する保証が付きます。

ジンのパーシャルリペアとは

パーシャルリペアとは、腕時計の特定部分だけを対象にした修理サービスのことです。通常、オーバーホールは時計全体を分解・洗浄・再組立てする大掛かりな作業ですが、パーシャルリペアは外装パーツの不具合や、クラスプの交換・修理など、特定のトラブルに絞って修理を行います。これにより、全体のオーバーホールを行うよりも価格を抑えられるため、費用面でメリットがあります。時計の裏蓋の開閉を伴うもの、ジン・テクノロジーのドライカプセル交換やブレスレットのサイズ調整など、修理内容により料金が異なります。パーシャルリペアは時計全体のコンディションが良好な場合や、定期的なオーバーホールの合間に利用することで、時計の寿命をさらに延ばす効果的な修理方法です。パーシャルリペアには防水テストがなく、修理後の保証は付きません。

メンテナンス時の流れ

Sinn(ジン)の腕時計における修理・オーバーホールサービスは、正規販売店による信頼のおける対応と明確な価格表示が特長です。修理の流れは以下の通りです。

  1. ご購入店またはSinn(ジン)の正規販売店に時計をお持ちください。その際に、国内正規代理店発行の保証書をお持ちの場合は必ず時計と一緒にご提示ください。保証書はお預かりし、修理完了の際に時計と併せてご返却いたします。この国内正規代理店発行の保証書があることで、修理料金の会員価格の適用が受けられます。国内正規代理店は、歴代のどの代理店のものでも有効です。ご購入店がすでになくなっている場合や、Sinn(ジン)の正規販売店がお近くにない場合のみ、正規サービスセンターにて直接、腕時計をお預かりしております。
  2. 店舗での受付後、時計は正規サービスセンターに送られます。
  3. 正規サービスセンターでの受付後、専門技術者が時計の状態を丁寧に診断し、必要なオーバーホールや修理サービスの内容を確認、見積書を作成いたします。年末年始などの特別な期間を除いては、修理品が正規サービスセンターに到着してから約10日で見積書を作成しています。修理進行前であれば見積り後のキャンセルも可能です(キャンセル料がかかります)。
  4. 受付を行った店舗を通して、お客様に修理内容、見積金額、納期をお知らせいたします。
  5. 見積料金の確認と修理進行の回答をいただいた後、有資格の経験豊富な技術者が修理やオーバーホール作業に入ります。
  6. 修理が完了した後は、最終検査のランニングテストと呼ばれる作動確認を実施し、Sinn(ジン)の腕時計が正常に作動することを確認してから、ベルトなどを取り付け、受付店舗を通してご返却いたします。
  7. 受付店舗にて修理料金をお支払い後、時計とご提出いただいた保証書をお受け取りいただきます。

時計の修理料金について

Sinn(ジン)のすべての時計には、モデルにより2年から5年の保証期間が設けられています。この期間は保証書に明記した規定の範囲内で無償で修理が行われる場合がありますが、規定外の場合やこの期間を過ぎると修理料金が発生します。Sinn(ジン)の時計の修理やオーバーホールサービスの基本料金は、腕時計の種類や修理内容によって異なります。正規サービスセンターでは、機械式の3針モデル、機械式クロノグラフ、クォーツ、ハイドロテクノロジー搭載の特殊モデルなど幅広いモデルに対応しており、それぞれの価格はさらに細分化された付加機能に従い部品交換や調整作業の内容により決定します。オーバーホールは、ムーブメントの分解洗浄・注油・精度調整を含む基本サービスとしてご提供しています。クォーツ時計の場合は、電池交換や回路点検も含まれ、クォーツ・クロノグラフはより複雑なメンテナンスが必要となるため、料金が異なります。

ジンの正規販売店におけるすべての修理料金は統一しており、お客様に安心してご利用いただけるよう基本料金や消費税を明確にご案内しております。ご希望の修理内容や時計の状態に応じて、詳細な修理見積りを提示していますので追加料金の心配もありません。また、国内正規代理店発行の保証書の提示により優待価格の適用が受けられます。この保証書の提示がない場合は、標準価格の適用となります。

自動巻き3針の時計の修理料金

自動巻き3針の時計は、機械式時計の中でも特に人気の高いモデルで、時・分・秒表示を搭載した基本的な構造の腕時計です。腕の動きによりムーブメントのローター(錘)が自動的にゼンマイを巻き上げ、その蓄えられた動力により時計を動かします。この自動巻き機構は、日常の動作だけで持続的に動力を供給できる点が大きな魅力です。シンプルなデザインは視認性に優れ、ビジネスからカジュアルまで幅広いシーンで活躍します。しかし、機械式時計である以上、定期的なオーバーホールやメンテナンスが不可欠です。適切な修理・点検や部品交換を行うことで、時計本来の精度や美しさを長期間維持できます。

自動巻き3針時計のオーバーホール価格は、時・分・秒表示のみの時計と、GMTやレギュレーターなどの付加機能付きの時計で基本料金の設定が異なります。

856.B
856
例:基本構造の3針時計「856.B」(写真左)と付加機能であるGMT表示を搭載した「856」(写真右)

機械式クロノグラフの修理料金

クロノグラフは、ストップウォッチなどの時間計測機能を持つ複雑機構の腕時計であり、スポーツや日常のさまざまなシーンで活躍します。特にSinn(ジン)のクロノグラフは、その耐久性と実用性で多くのユーザーから高い評価を受けています。クロノグラフは、センタークロノ秒針、30分積算計、12時間積算計といった複数のサブダイヤルを備えているのが一般的で、直感的に操作できるのが特長です。ムーブメントには精密な機構を搭載しているため、定期的なオーバーホールが必要です。

オーバーホールの価格は付加機能の有無や搭載するムーブメントによって基本料金が異なります。安心して長く使うためにも、正規販売店を通したメンテナンスをおすすめします。

103.B.SA.AUTO
103.B.SA.DIAPAL
例:基本クロノグラフの「103.B.SA.AUTO」(写真左)と付加機能のGMT表示付きクロノグラフ「103.B.SA.DIAPAL」(写真右)

クォーツ時計の修理料金

一般的にクォーツ時計は、その高い精度と扱いやすさから多くの時計ファンに人気です。Sinn(ジン)の現行モデルでは、5,000mという高い防水性能を実現しているSinn(ジン)独自のハイドロという技術を搭載したモデル「UX」シリーズと、レディースモデルの一部にクォーツムーブメントを採用しています。

UX
434.ST.B
例:ハイドロ搭載の「UX」(写真左)とレディースウォッチ「434.ST.B」(写真右)

ハイドロ搭載のモデルの修理については、ドイツのSinn(ジン)にて行います。このハイドロ搭載の腕時計の製作や修理には非常に高い技術と知識を必要とし、ドイツSinn(ジン)社内の特別な技術者のみが行います。そのため、電池交換などを含む修理に関しても日本国内では行うことができず、すべてドイツに送ります。Sinn(ジン)社内でも限られた技術者のみしか取り扱いができないため修理には時間がかかります。ハイドロの修理では、必ず電池交換とオーバーホールを同時に行います。

UX
434.ST.B
ハイドロの特殊なオイルを充填中のUXシリーズ。写真は1点ずつの場合。

ハイドロ以外でクォーツムーブメントを搭載した腕時計に止まりなどの症状が出た際には、機械式時計と同様にオーバーホールやメンテナンスが必要となります。Sinn(ジン)の正規サービスセンターでは、機械式同様にクォーツムーブメント搭載の時計でも、付加機能の有無によりオーバーホール料金を明確に設定しています。専門技術者による電池交換やムーブメントのクリーニング、必要に応じた部品交換や回路の点検まで、丁寧に対応いたします。

修理料金の詳細についてはこちら

以上のいずれの場合でも、修理やオーバーホールは、Sinn(ジン)によりトレーニングを受けた熟練技術者が担当し、信頼性の高いサービスを提供いたします。現在、正規サービスセンターでは、修理に携わるすべての技術者が、国家検定制度による「時計修理技能士」やスイスのWOSTEP(ウォステップ)の資格を取得しておりますので、安心して修理をお任せいただけます。修理後のアフターサービスも充実しており、お客様の大切な時計を長く快適にご使用いただけるようサポートいたします。

ジンのアフターサービスについて

Sinn(ジン)の時計をご購入いただいたお客様には、Sinn(ジン)の正規販売店を通じて安心のアフターサービスを提供しております。ご購入後には、日本国内のSinn(ジン)正規販売店でご購入のファーストオーナーのための「ジン・マイスタークラブ」という会費無料の会員制度も設けており、デジタル保証書の発行、製品保証の1年間延長、会員向けの特別なご案内など、充実したサービスをご用意しています。

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オーバーホールや修理サービスは熟練の技術者が対応し、時計の性能を長期間維持できるようサポートいたします。保証期間内であれば、通常使用によるトラブルは無償で対応し、保証期間後も明確な料金設定のもと、適正価格にてサービスをご利用いただけます。

UX

また、ジン・デポ各店をはじめとするSinn(ジン)の正規販売店では、製品内容に関してはもちろん、メンテナンスやサービスに関する情報を熟知したスタッフがおり、お客様が安心して時計を預けられる環境を整えています。修理の流れやサービスに関してご不明点があれば、公式サイトの以下のページをご覧いただくか、Sinn(ジン)の正規販売店までお気軽にご相談ください。定期的なオーバーホールを通じて、Sinn(ジン)の時計を末永くご愛用いただけます。

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